ガメラよ、いつまで眠るのか
昨今はゴジラやウルトラマンなど、一時期は東映特撮に押され風前の灯火ともなっていた巨大特撮がかなりの復権を果たしているが、そのような情勢の中でガメラシリーズは未だに新作の音沙汰もなく、休止状態が続いているのが現状である。
ガメラシリーズは元々、大映がゴジラシリーズに対抗しうる怪獣映画として作り出されたものであり、子供向けで大らかなイメージが強い昭和シリーズやマニア向けでありリアリティ重視の平成シリーズに分かれているが、残念ながら2006年の小さき勇者たち‐ガメラ‐を最後にシリーズの新作は途絶えている。
初代ガメラが登場した当時はゴジラの後釜を狙うべく様々な怪獣映画が作られては消えていったが、ガメラはその中でも数少ない生き残ったシリーズであり、特に平成ガメラはその緻密なドラマやリアリティ溢れる描写により当時からマニアに高い評価を受け、ウルトラマンティガや仮面ライダークウガにも大きな影響を与えた作品群として平成特撮の歴史を語る上では外せない作品といえる。
ただ、平成ガメラの高すぎる完成度故にガメラの新作を作り辛いという現状もありそうであるし、逆に平成ガメラの路線で新作を作るとしても、シン・ゴジラの二番煎じとみなされてしまい、ヒットは望めないかもしれない。
2015年にはシリーズ誕生50周年を記念したPVが公開され、当時はいよいよガメラ復活と胸が熱くなったものだが、それから数年以上たった現在でも続報は未だに流れておらず、ガメラシリーズは復活のチャンスを逃してしまったという見方もできてしまうだろう。
いずれにせよ、ゴジラやウルトラマンと並ぶ巨大特撮の代表格であり、すぐれた作品を過去に輩出してきたガメラシリーズの新作が作られていない現状は非常に残念であり、いつの日にか新たなガメラを映画のスクリーンで拝める日が来ることを願ってやまない。