泡沫

どうも、とりあえず自分の好きなものについて適当に語るだけの簡単なブログです。暇な人や物好きは見てってね。

ウルトラマンと防衛チーム問題について

一昔前はウルトラマンといえば怪獣が起こす怪事件や異常現象を防衛チームが捜査し、暴れだした怪獣を彼らとウルトラマンが倒すという話が主流だったが、2013年以降のウルトラマンギンガから始まるニュージェネーションヒーローズ(通称ニュージェネ)では、2015年のウルトラマンX以降、本格的な防衛チームやライドメカが出なくなっている。勿論、2クールという短い尺や限られている予算の中で(昔の円谷は予算の使い過ぎで会社を潰しかけたのは有名な話である)防衛チームを出すだけの余裕がないのは分かるし、メイン視聴者層の子供たちがウルトラマンのカッコいい活躍を求めていることは十分承知しているし、それを否定をするつもりは毛頭ない。(私自身も今のウルトラに不満はたくさんあっても、楽しめる部分はちゃんと楽しみたいと考えている。) 

ただ、やはり昔からウルトラマンの魅力の一つが防衛チームの活躍とカッコいいメカニックだと思っている身としては、どうにも歯痒いと言わざるを得ないのも事実である。 防衛チームが出ない主な理由としては先ほどの尺や予算の都合や作風のマンネリ防止というのもあるだろうが、やはりウルトラマンエックスの防衛チームXIOの玩具の売り上げが悪かったということが大きな理由なのは明白である。 

これについては、時代の変化や少子化とともに、子供向けヒーロー番組の玩具の主体が変身アイテムやそれに関連するアイテムなどの俗にいうアイテムコレクション商法に移行し、子供たちが以前のように銃や戦闘機のオモチャには興味を示さなくなったことが主な理由の一つだろう。 

無論、これについても時代の流れもあるし、アイテムコレクション商法も根付いて久しいので、この是非をここで問うようなことはしない。 

しかし、防衛チームが出なくなった影響で、従来のシリーズでは違和感なく描かれていた人間たちの活躍があまり見られなくなったのもまた事実である。 

2016年のウルトラマンオーブ以降、怪獣が出現すると主人公はすぐにウルトラマンに変身し、怪獣に立ち向かうのだが、その間に人間たちはウルトラマンの活躍を眺めたり応援するのがほとんどで(怪獣の弱点をウルトラマンに教えるといったようなことはあるが)、以前の防衛チームのように怪獣に攻撃してウルトラマンのピンチを救ったり、ウルトラマンに頼らずに自力で怪獣を倒すというような展開はまず見られなくなった。 

この点については明らかに防衛チームがいたころの方が良かったと言わざるを得ない。 

また、怪獣という未知の脅威が出現する世界観の中、従来の作品では国際機関である防衛チームが対処していた中で、オーブ以降の作品ではウルトラマンが対処するばかりで政府などの行政機関の動きはほとんど見られず、そういった点でも個人的には非常に違和感がある。(一応、ウルトラマンルーブでは政府機関が怪獣の調査などをしている描写はあったりしたが) 

勿論、防衛チームが出ないことで作風の幅が広がったという意見も分からなくはないのだが、やはり作品面でのリアリティを考えると防衛チームは出さずとも自衛隊の戦車や戦闘機が怪獣に攻撃をするくらいの描写は欲しいものである(まぁ、現実的にいろいろと問題になりそうなのでまず実現しないだろうが)。 

後は、小さい頃から平成3部作のメカニックのオモチャが欲しくて仕方なかった身としては、どうしてもライドメカを復活してほしいものなのだが、先述の通り、ウルトラマンエックスのライドメカスカイマスケッティの売り上げが非常に悪かったため(車と合体するというアイデアは予算面の節約も含めて画期的で面白いアイデアだとは思うがデザインをもう少しカッコよくして欲しかった)復活はまず絶望的であり、ウルトラマンの魅力といえばカッコいいメカニックと思っている身としては非常に残念な気持ちである。(やはりウルトラマンでメカを売るためにはグリッドマンみたいにメカ自体をウルトラマンの武器にしたり、合体させたりするしかないのだろうが、スーパー戦隊シリーズの合体ロボと被ってしまうので、まず実現はしないだろう。) 

このように現在のウルトラマンに防衛チームが登場しないことについて個人的な考えを述べてきたが、やはりウルトラマンに頼らず自分たちの力で地球を守っていくというのがウルトラマンの根幹のテーマであり、防衛チームがいない現状ではそのテーマが守られているとは到底言えないのが個人的な意見である。私としてはもう一度防衛チームの活躍やカッコいいライドメカを見たいという気持ちは強くあるし、これからも持ち続けるだろう。 (もっとも個人的なファンの意見が通れば、防衛チームやライドメカ復活だけでなく、完全独立世界観や全話新怪獣、4クール放送はとっくに復活しているだろう)

だが、現段階ではウルトラマンは勿論、怪獣や悪役にスポットを当てた企画はあっても、過去作の防衛チームやライドメカにはほとんど焦点が当たらないのが現実であり、円谷上層部やバンダイが防衛チームをウルトラマン本編に出すつもりが全くないのが伝わってきてしまうのがとても辛いが、田口清隆監督を始めとしたスタッフ陣は防衛チームを出したいと公言している人も決して少なくなく、X以降の作品もオーブのビートル隊を始めとして、何らかの組織が必ず登場している(現行作品のタイガでも主人公が所属する民間警護会社が登場している)のはせめてもの救いともいえるかもしれない。 

個人的には2021年公開予定のシン・ウルトラマンには間違いなく防衛チームが出ると思われるので(製作者の庵野秀明氏は根っからの昭和ウルトラマニアである)、この作品が大成功をおさめ、多少なりともTV本編に影響を与えることを期待したいところではある。(無論、あくまで希望的観測だが。) 

ここに至るまで、長々とウルトラマンと防衛チームのことについて書いてきたが、もちろん今の作品には今の作品の良さもあるし、私はそれを楽しむのが一番だと考えているが、やはりいつの日かTVのウルトラマンに防衛チームの活躍とカッコいいライドメカが復活し、ウルトラマンとともに怪獣に立ち向かう光景を再び見れると強く願っている。 

(完)